高橋 弘 著 「素顔のモルモン教」


V モルモン内部の歴史論争−教会当局の歴史家批判−批判の具体的内容

その4・信仰との関わりについて


 さて、ブリガム・ヤング大学の政治哲学教授ルイス・ミグレイもこの論争に加わる。歴史家がジョセフ・スミスについて述べるとき、スミスを預言者とする個人的信仰を明確に述べてはいない、とミグレイは批判する。エズラ・タフト・ベンソンも、「あなたがた〔歴史家〕が学術的な記事を書くときには、つねに信仰を擁護するよう期待したいものである」と述べているが、ミグレイの主張と同じである。パッカーも同様の批判をしている。

 これにたいしてクインはこう主張する。懐疑的な人なら、最も熱烈な信仰の証言に接しても心を動かされるということはまずありえない。また真実な探究者なら、反モルモン教の出版物をよんだのち、モルモン教会に改宗することも時にはあるであろう。しかしモルモン教徒が、歴史家の論文を読んだからといって、信仰がぐらつくなどということは、私には考えられないことである、と。


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