「教義と聖約」第25章における改変


「教義と聖約」第25章は、女性に与えられた唯一の啓示として知られており、ジョセフ・スミスの妻、エマ・スミスに対する啓示が記録されている。「誡命の書」の段階ではこうなっていた。

また、あなたの夫が教会からあなたを支えるので、あなたは恐れる必要がない。・・・

「教義と聖約」第25章9節ではこう変えられている。

また、あなたの夫が教会の中にあってあなたを支えるので、あなたは恐れる必要がない。・・・

たいした違いではないが、これも巧妙な改変である。「支える(support)」という単語は、精神的な意味合いよりも、むしろ経済的な意味合いで、使われる単語と解釈してよい。モルモン教会は、職業聖職者がいないということを売り物にしており、当時も報酬をもらえるのはごく一部の神権者に限られていた。「教会から」とすると、いかにも教会がエマ・スミスに対して生活費を支給するかのような印象を与えてしまう。したがって、「教会の中にあって」と改変したのである。

また、「教義と聖約」第25章6節には以下のように記されているが、太字は後から書き加えられた箇所である。

また、あなたは彼(ジョセフ)が出て行くときに彼とともに行き、また彼のために筆記者がだれもいないときは、筆記者とならなければならない。わたしが、どこでも自分の望む所にわたしの僕オリバー・カウドリを遣わすことができるようにするためである。

この改変はなかなか興味深い。エマ・スミスが筆記者を務めたのは、どういうわけか、非常に限られた時期でしかない。ジョセフ夫婦の関係がどのようなものであったかは、まだ調査が十分ではないが、非常に夫婦仲がよかったという情報は得ていない。とにかく何らかの理由で、エマは筆記者の務めはたいして果たさなかったのである。そこで上記の改変が行なわれたと考えられる。都合が悪くなるとコロコロ変わってしまう・・・神の言葉にしてはずいぶん重みに欠けるとは思わないだろうか。

参考文献:"Mormonism - Shadow or Reality?" by Jerald and Sandra Tanner


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