1826年ベインブリッジ裁判記録


ジョセフ・スミスがオカルト的な財宝探しに関わる山師であったことは、教会設立当初から人々の話題に上っていたことであった。ジョセフはそれを否定するために、以下のように述べている。

1823年に、父の家族は、わたしの長兄アルビンの死によってひどい苦難に遭った。1825年10月に、わたしはニューヨーク州シェナンゴ郡に住むジョサイア・ストールという名の老紳士に雇われた。彼はペンシルベニア州サスケハナ郡ハーモニーでスペイン人によって開かれた銀山のことを聞き、わたしを雇い入れるに先立って、できればその銀山を発見しようとして試掘を行なっていた。わたしが行って彼とともに生活するようになってから、彼はほかの使用人たちとともにわたしを伴って、その銀山を探す試掘に当たらせた。わたしはそこで一か月ほど働き続けたが、わたしたちの仕事はうまくいかなかった。それでついにわたしは、その老紳士を説き伏せてその試掘をやめさせた。このことから、わたしが山師であったという話が広く言われるようになったのである。(ジョセフ・スミス−歴史1:56)

この話は、まるっきりの嘘ではないが、ジョセフが逮捕されて裁判を受け、有罪判決を受けたという事実が全く記されていない。その裁判は、1826年にニューユーク州ベインブリッジで行われており、1873年発行の「Fraser's Magazine」誌にその裁判の概要が掲載されているので、以下に引用する("Fraser's Magazine", Feb. 1873, pp.229-230 )。結局財宝を見つけることができなかったのにも関わらず、ジョセフを信用し続けていた人間もいたというのが興味深い。

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ニューヨーク州 対 ジョセフ・スミス

ベインブリッジのジョセフ・スミスなる者が治安を乱す詐欺師であると申し立てるピーター・G・ブリッジマンの宣誓に基づく告訴状に基づく令状。

被告(注:ジョセフ・スミス)は1826年3月20日に法廷に召喚された。 被告の取り調べが行なわれ、被告は以下のように語った。

被告はパルマイラから来た者であり、それ以来 、ベインブリッジのジョサイヤ・ストール宅に滞在していた。ストール氏の農場にしばらく雇われており、学校に通っていた。被告はある石を所持しており、地中に隠された財宝のありかを知るために時々覗き込んでいた。被告はそのよ うにして地中深くに金鉱があることがわかると公言しており、ストール氏のために数回その覗き石を使用し、ストール氏に財宝のありかを告げ、ストール氏はそれらを掘り当てようという作業に従事してきた。被告はパルマイラにいた際、その石を覗き込むことによって、ペンシルバニアに埋められている鋳造された貨幣のありかがわかったとしており、また、失われたさまざまな財宝のありかについても、そのような方法でありかがわかると断言をしてきた。被告は3 年間にわたり、時々その石を覗き込んで失われた財宝を見つけることを習慣としていたが、最近は健康を害する、特に目が痛くなることを理由に、ほとんど行なっていない。被告はこの種の商売を特に生業としていたわけではなく、むしろこの商売に関わることを常に断ってきたと述べた。

ジョサイア・ストールの宣誓証言内容: 被告はストール氏の家に5ヶ月くらい滞在していた。被告はストール氏に雇われ、臨時の農作業に従事した。被告はある石を覗き込むことによって、地中に隠された財宝のありかを知る力があると称していた。被告はストール氏のために、時々石を覗いたことがあった。それは、一度はペンシルバニアのベ ンド山に埋められたお金、一度はモニュメント・ヒルの黄金、そしてもう一度は塩泉、のありかを知るためであった。ストール氏は、被告にはそれがわかり、上述の石を使ってこれら貴重な財宝をみつける技術を持っているものと確信した。ストール氏は、被告が言った通り、(判読不明)をベンド山とモニュメント・ヒルで見つけた。被告はディーコン・アトルトンのためにその石を覗いて鉱脈を見つけようとしたが、見つからなかった。その代わり、 金に似た(判読不明)の鉱石を見つけた。被告はその石を使ってベーコン氏 が埋めたお金のありかを語った。ストール氏と被告は、それを探し続けてきた 。被告は、それは地表から5フィートのある切り株の根の中にあり、鳥の尾羽も 一緒に見つかると告げた。そこでストール氏と被告は地面を掘り始め、尾羽 を見つけたが、お金はなくなっていた。ストール氏は、お金がさらに深い地中に移動してしまったと思った。被告は確かにその能力を示しており、ストール氏としては騙されたとは思っていない。被告は石を覗き込んで、パルマイラのシンプソン・ストール宅にいながら、ジョサイヤ ・ストール氏の家や離れの様子を正確に言い当てた。被告は上述の石を使っ て、人の頭がペンキで描かれた木があることまで言い当てた。ストール氏は被告と共に金を掘りあてようとしてきており、被告の能力について、絶対の信頼を寄せている。

アラッド・ストールの宣誓証言内容: 同氏は被告が持っていると称する能力が自分の納得いくものかどうかを確か めようとした。被告は一冊の本を白いテーブルクロスの上に置き、覗き石とは別の、白い透明な石を覗くことにした。その石をろうそくにかざし、自分の頭を本の方へ向け、読んだ。インチキであることがあまりにも明白であったので、不愉快になり、退出した。

マクマスターの宣誓証言内容: 同氏はアラッド・ストールと一緒におり、同様に不愉快になり退出した。被告は同氏に対して、その白い石を太陽かろうそくにかざすことにより、遠くにある物を発見することができると主張した。被告は褐色の石を帽子に入れて覗き込むことは拒絶した。目を痛めるとのことであった。

ジョナサン・トンプソンの供述: 被告は大金の入った箱を見つけるよう求められ、(石を)覗き込み、そのありかがわかったと主張した。被告、トンプソン、ヨーマンは、それを探しに出かけた。(ジョセフ)スミスが最初にその場所に到着した。それは夜であ った。スミスはそこにいる間、帽子の中を覗いていた。非常に暗いのにも関わらず、箱がどの位置にあるかを告げた。数フィート地中を掘った後、板のような物に当たった音がした。被告は再び(石を)覗き込むことはなく、箱が埋められた事情に関して警告を受けたということを、突然言い出した。最後に覗き込んだ際、被告は箱を埋めた二人のインディアンがはっきりと見えたとし、二人が口論をし、片方のインディアンがもう一人に殺され、箱を守るべく穴の中の箱の脇に放り込まれたのだと思うと語った。トンプソンは、被告の能力が確かなものであると信じていると述べ、シャベルが当たった板のようなものは 、恐らくその箱であり、魔法がかけられているため、掘り進めてもその箱は どんどん遠ざかっていったのだと述べた。にも関わらず、彼らは土を掘り続けたが、彼らと箱の距離は変わらなかった。被告はベインブリッジでは塩が発見されるかも知れないと語り、証人(トンプソン)は被告が上述の石を使って神聖な業を行うことができると確信している。証拠として、被告が自分の帽子の中を覗き込んで、トンプソンが16年前になくしたお金について語り、お金を盗んで使い込んだ犯人であるとトンプソンが疑っ ていた人物を指摘したことをあげた。

したがって、当法廷は被告を有罪であると認める。 費用:令状 19セント、宣誓告訴状 25.5セント、証人7名 87. 5セント、誓約書 25セント、(意味不明) 19セント 、証人の誓約書 75セント、召喚令状 18セント 、 合計2ドル68セント。

参考文献:"Mormonism-Shadow or Reality? " by Jerald and Sandra Tanner


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