なぜかギリシャ語が使われているモルモン書


ジョセフ・スミスはモルモン書の執筆にあたり、ギリシャ語を登場させるという致命的なミスを冒している。第3ニーファイ9:18には「わたしはアルパでありオメガであり、初めであり終わりである」とあり、これはヨハネの黙示録21章6節「わたしは、アルパでありオメガである。初めであり終りである」からの借用である。

アルパ」と「オメガ」はギリシャ語のアルファベットの最初と最後の文字なのである。ブルース・R・マッコンキー長老は、「これらの単語はギリシャ語のアルファベットの最初と最後の文字であり、私たちの主の存在に時の限りがなく永遠であることを比喩的に教えるために使われている」("Mormon Doctrine", 1966, p.31)と説明している。

ギリシャ語はキリストの時代のローマ帝国で広く使われていた言語である。新約聖書はギリシャ語で書かれたものであり、当然、「アルパ」や「オメガ」の持つ意味もよく知られていた。しかしながら、モルモン書に登場するニーファイ人は、紀元前600年にエルサレムを離れた民であり、ギリシャ語である「アルパ」や「オメガ」を知っていたはずもなく、まったく無意味な言葉なのである。

モルモン書にギリシャ語の単語が使われているという指摘に対して、1843年5月15日、ジョセフは次のように述べている。「私の言う誤りとは、「モルモン」という単語の意味についてである。この単語がギリシャ語の"mormo "から来ていると言われている。そうではない。神の恵みによって私がモルモン書を翻訳した版には、ギリシャ語もラテン語もなかった。」("Times and Seasons", Vol.4, p.194)また、J・N・ウォッシュバーンは、別のモルモンの著述家による発見について、次のように述べている。「彼は、モルモン書に新約聖書で使われている膨大な数の単語のうち、ギリシャ語に起源を持つものは一つもない、としている。」("Contents, Structure, and Authorship of the Book of Mormon", p.161)もちろん、これらの説明は完全に誤りである。「アルパ」も「オメガ」もギリシャ語である。

さらにモルモン書には、テモテという名前が登場する(第3ニーファイ19:4)。テモテというのはギリシャ語の名前であり、旧約聖書には登場しないのである。同じ節にはヨナ(Jonas)という名前もみられる。Jonasという名前はマタイ12:39にある名前であり、旧約聖書に出てくるヨナ(Jonah)のことを指していて、ギリシャ語からの翻訳の綴りになっている。本当に金版からの翻訳であれば、Jonahという綴りが使われていなくてはおかしいと言える。

モルモン書にギリシャ語が登場するということも、それが後世の創作であることの証拠の一つである。

参考文献:"Mormonism - Shadow or Reality?" by Jerald and Sandra Tanner


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