多妻結婚しているイエス・キリスト

タナー夫妻の著作、「Major Problems of Mormonism」から今回は多妻婚(polygamy ポリガミー)のモルモン教徒が根拠とするところを見て行きます。
現代モルモン教徒の多妻婚についての言い分を聞きますと、「旧約聖書の族長達は複数の妻達を持っていた。それが現代も『啓示』されそれに従っただけである」と言うものです。多妻婚は古来スタンダードな結婚形態であるというのがモルモンの理論です。
この多妻婚への反発は極めて強く、痛烈な批判にさらされていました。あるとき、ブリガム・ヤングはこの
「多妻婚は野蛮な思想の遺物」ではないかと言う指摘に答えて、こんなことを述べています。

「(遺物というなら)そうだ。アダム、エノク、ノア、アブラハム、イサク、ヤコブ、モーセ、ダビデ、ソロモン、その他の預言者達、
イエスと彼の使徒たちの残した遺物のひとつである」(Jounal of Discourses vol.11 P309)

つまり、旧約の族長の時代をのみならず世のはじめから連綿としてこの「多妻婚」はイエスと使徒の時代まで続けられて来たと言っているのです。
イエス・キリストや十二使徒が結婚していたと言うことだけでも驚きですが、多妻結婚をしていたとは将にとんでもない話です。
ヤングの第二副管長だったジョシュア・M・グラントは

複数の妻を持つという信仰がイエスや彼に従うものへの迫害の原因になった。わたし達は彼ら(イエスや初期クリスチャン)を『モルモン』と呼んでも差し支えないのである」(Jounal of Discourses vol.1 P346)

とびっくりするようなことを言っています。彼は尚も続けて、カナの婚礼(ヨハネ伝2:1〜11)で結婚した主役は将にイエス自身あったこと、そしてマリアとマルタの姉妹両方とマグダラのマリアと3人と結婚していたことを説いています。3人、その中のふたりは姉妹揃って妻にであったというだけで驚きを通り越しますが、グラントは尚も、

「イエス・キリストは
マリア、マルタそのほかの彼の妻達と結婚していて、子供を設けていた」(Jounal of Discourses vol.2 P210)

とまで述べています。イエスの妻は3人に留まらなかったようです。一体どんな考え方をすればここまで自分が信じていると言う救い主を貶めれるのでしょうか。全く理解できません。
ブリガム・ヤングは相変わらず威勢の良い説教をしています。

「聖典は主が神殿の中を彼の同行者と歩いて行ったと述べている。私にはその同行者が彼の妻たちと子供達で以外の誰とも思えないのだ」(Jounal of Discourses vol.13 P309)

イエスは神殿結婚(それも多妻結婚)していたと言いたげです。
オルソン・プラットもはっきりと言っています。

「偉大なキリスト教の始祖である救い主は多妻婚者(plygamist)であった。・・・救い主は彼自身の意思で多くの誉れ高い妻達を持つことを選択したのである。・・・私達には今、父なる神が多妻者であったことが示された。私達は又、父なる神と私達の主イエス・キリストが妻達を永遠に受け継ぐことを証しするのである。多妻婚の社会と多くの妻達と言うことによって、あなたが道徳的に堕落させたくはないと望ませ、耳に驚きを覚え、そしてあなたを赤面させるのであるなら、あなたは新しい世界に近づく事さえもできないのである。多妻婚者は新しい世界では褒め称えられ、その王国では(多妻婚は)最高の規則なのである」(The Seer Nov.1853 P172)

神もキリストもやっていた多妻婚は来世では最高の規則であるので、抵抗する心や恥ずかしがる心を持ってはいけないし、そう思うだけでも神の王国には入れはしないと言うのです。
最近のモルモン指導者も多妻婚について貴重な証言を残しています。John J Stewartは1961年に

「多妻婚とは、族長時代からの結婚の命令であり、神と永遠の王国を信じる者によって継続し続ける」(Brigham Young and His Wives , P41)

また、1966年には同じく彼の著書「ジョセフ・スミス モルモンの予言者」では多妻婚は「神によって継続している」とも述べています。

時代は下って、第10代大管長ジョセフ・フィールディング・スミスは1963年3月17日の手紙でJ.Ricks Smithの
「神殿の儀式においても私達は神と救い主イエスに従っているのではないか。(神もイエスも結婚していたのではないかと問うている)」
との質問に答えて

「そうだ!しかし、それを説教してはならない。主は私達に『真珠を豚に与えるな』と勧告されているではないか」

と言っています。
「豚に真珠」の譬えがこんなところで出てくるとは、これも驚きです。多妻婚の教義はあまりに尊くて深遠なものなので、真理を知らない非モルモンには言ってはならないわけです。もちろんここには
過去にしぶしぶ多妻婚の実施を止めたと宣言しなければならなかった屈辱も見え隠れします。

モルモンの教義に従えば永遠の結婚をしてふさわしい生涯を送った男性達は神となりその妻と霊の子と、新しい地球をを創造し自らも「救いの計画」を実施する。そしてそれがもっともすばらしい救いであるというのはよく知られた事です。さて、では来世で神となったモルモンにとってふさわしい妻の数は何人なのでしょう。もちろんひとりでもよさそうなものですが、オルソン・プラットは以前に「面白い」概算をしています。来世における霊の子の創造ということに関連した計算です。

「天にはおおよそ1050億の神の息子娘がいた」(The Seer,P38)
「考えてもみれば、それら(霊の子)を生むために平均的におよそ1年が必要であるわけで、
同じ母から生まれるのであれば、1050億年以上は時間がかかるのである」

つまり、霊の子の母がひとり、神の妻がひとりであるなら、救いの計画に必要な霊の子を創造し尽くすまでに大変な年月がかかるというわけです。神となり神の妻となっても十月十日(とつきとうか)はかわらない「永遠の原則」のようです。
さて、プラットは続けます。

「もし、霊の父が多くの妻を持っていたなら、その期間はもっと短くなるのである。
100人の妻であれば、約10億年ですむのである。妻がひとりであったなら、十分ではない人数しか得れないのである」(前掲書P39)

多妻結婚をしていなかった大管長であるジョセフ・フィールディング・スミスやハロルド・B・リーにも永遠の妻は二人います。それは、前妻と死別し、再婚したためですが、彼らも将来は昇栄して神になるのでしょう。彼らは妻が二人ですので、500億年は「準備」に費やすことになります。ジョセフ・スミスやブリガム・ヤングは生きている女性と現実的に永遠の結婚をしただけでなく、死んだ女性との神殿での結び固めも含めると何百の妻を持っています。公式の宣言を出した張本人のウイルフォード・ウッドラッフは400人を妻として結び固めていました。彼らは速やかに救いの計画に着手できるより強い力を持っていると言えるわけです。

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