真鍮と青銅

モルモン書には金属の真鍮が出て来ます。

わたしは民に、建物を建てることを教え、また非常に豊富にあった木材や鉄や銅、また真鍮や鋼や金や銀や貴重なあらがねなど、あらゆる材料で物を造り出すことを教えた。
(And I did teach my people to build buildings, and to work in all manner of wood, and of iron, and of copper, and of brass, and of steel, and of gold, and of silver, and of precious ores, which were in great abundance.)(第2ニーファイ5:15)

このほかにもモルモン書の物語の中でラバンの真鍮版は重要な役割を果たしていることはご存知の通りです。ところが、この『真鍮』というものもモルモン書の時代にはまだ存在しないのです。

真鍮とは銅と亜鉛の合金で、英語ではbrassです。この真鍮というものは古代ほとんど作られたことありません。特に紀元前には極めてまれで、ローマ人が紀元前20年にコインに使用したのが最初だとされています。(ブリタニカ大辞典)
真鍮が一般的に使用されるようになるにはそれから何世紀も要したようで、別の百科事典によるとでは、紀元16世紀から一般的に利用されたと述べられているのです。

もちろん、正しく翻訳された聖書には真鍮(brass)は出てきません。ところが、英文聖書の古い訳(特に英語欽定訳)は本来は青銅(bronze:銅とスズの合金)にという原語に対して、間違えて真鍮(brass)という訳語をにあててしまっているのです。
例えば、欽定訳聖書の出エジプト25章3節には
 「And this [is] the offering which ye shall take of them; gold, and silver, and brass,」
と真鍮(brss)が出て来ます。ここの箇所を日本語の新共同訳聖書は
 「彼らから受け取るべき献納物は以下のとおりである。金、銀、青銅、」
と正しく青銅に訳されています。(他にもたくさん例がありますが、いちいち挙げません)

つまり、ジョセフ・スミスは欽定訳聖書の誤りをそのままモルモン書に移植してしまったのです。
 これは以下のモルモン書とイザヤ書との並行記事でより明らかになります。

わたしがそれを行ったのは、あなたが強情で、あなたの首が鉄の筋であり、あなたの額が真鍮であることを知っていたからである。(第1ニーファイ20:4)

お前が頑固で、鉄の首筋をもち
青銅の額をもつことを知っているから(イザヤ書8:4 )

つまり原版には真鍮を示す単語が記載されていると言うことはありえず、青銅を示す単語が記載されていたはずですから、正しい翻訳としてジョセフは青銅(bronze)と訳すべきでした。
もっともその原版自体が真鍮の版なのですから存在するはずがないのです。
ジョセフ・スミスの間違いというのはごまかしようのないものばかりです。

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