首切りニーファイの不思議

ラバンの真鍮版を奪い取る場面の記述が第1ニーファイの三章にあります。 この個所も矛盾に満ちているのです。
最終的にはバンを殺すに至るニーファイですが、その行動は支離滅裂です。最初は、ラバンの所には手ぶらで行っているのです。そしていきなり「真鍮版をください」。
これでは普通、大事な先祖の記録を渡す気にもならないでしょう。ラバンが断るのも当然です。
ところで、真鍮と言うと現代では非常にお手軽なイメージでがありますが、
当時はまだ、発明されていないという説もあります。たとえもし、あったとしても、それは当時とすればかなり高価なものであったはずです。鉄は金よりも高価だったのです。
そんな高価なものをおいそれとは人には渡すわけもないのです。
   「お前は盗賊だ。殺してやる」(第1ニーファイ3:13)
こう言う気持ちも理解できなくはありません。そこで、一行は金銀財宝をかき集めてきて、「これでいかが?」と取引に出ます。しかし、買い取る気持ちでいるなら最初からそうするべきであって、
相手の出方を見て金品を用意する(それも捨てて来た嗣業の地で放置していた物)とは全く誠意のない態度です。ニーファイの行状はもう既に常識を逸脱しているのです。 さて、やはり追い出されて、ほうほうの体で逃げ戻ったニーファイ一行はついに
    「主はラバンをあなたがたの手にわたされるであろう」(同29)
という天使の言葉を聞きます。つまりすでにここでラバンを殺せということは決まっていたのです。
バビロニアとの緊張が高まる難攻不落のエルサレムの城壁を深夜に乗り越えるということが如何に困難なものかはここでは述べませんが、ニーファイは夜陰に乗じてエルサレム城内に潜入します。(同4:5) そして、そこで酒に酔いつぶれて倒れているラバンを見つけます。そして、このラバンを殺すのですが、
     「ラバンの髪の毛をつかみ、ラバン自身の剣で彼の首を打ち落としてから、ラバンの衣服を取って一つ残らず身に着け、また

ウルの剣 
ウル王墓で発見された美しい金の短剣と鞘
 前2560年ごろ


     彼の武具を腰にまとった」(第一ニーファイ4:18)
つまり
利き腕には剣を持ちもう片方では相手の髪の毛を掴んで首を落としたわけです。しかし、いくらよく切れる刃物でもニワトリやウサギならいざ知らず人間の首をこの方法で「打ち落とす」というのは不可能です。 それと、こうして首を切った時にラバンの服は血で汚れなかったのでしょうか?かなりの血が流れ衣服を汚したことはだれでも想像できる事です。
イスラエル宗教では血を命と考えており、こうした衣服をそのまま身に着けるというのもおかしな話です。 しかし、とにもかくにも、この変装が効いて、ラバンの召使をだまし宝物庫の鍵を開ける事が出来たのです。しかし、血の汚れは暗くて分からなかったと言い訳はできても、この
召使は血の臭いには気付いたはずなのですが・・・
マインドコントロール(モルモン教の信仰)を離れて単なる「物語」として読めばこれはもう、おかしな記述で一杯です。
また、もうご存知と思いますが、ラバンの剣は
    「もっとも上等な鋼(はがね)で出来ていた」(第1ニーファイ4:9)
とありますが、
この時代、鋼(はがね)はまだ発明されていませんのでこれもトンデモな記述です。
       

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