聖書は改竄されたのか?

現在の聖書は改竄されてしまい多くの重要で貴重な部分が失われているとモルモン書は教えます。

 「そして、これらが子羊の十二使徒の手によってユダヤ人から異邦人に伝わってから、あなた(ニーファイ)はほかのあらゆる教会にも増して大きな忌まわしい教会が設立されるのが見える。見よ、その教会の者たちは、分かりやすくて大変貴い多くの部分を子羊の福音から取り去り、また主の多くの誓約も取り去ってしまったからである。」(第1ニーファイ13:26)


そして、この「不完全な書物」を補うために現代にまでモルモン書が金版として秘蔵されていたと説くのです。そしてこの恐るべき聖書改竄を行ったのは「大きな忌まわしい教会」であり改竄を行った時期は十二使徒の後の時代であると言うのです。モルモン教はこの時代を「大背教時代」と呼んでいます。
この忌まわしい教会というのはどう読んでもカトリックを指すことは明白です。これだけの啖呵を切っておいて最近は「われわれもクリスチャン」などと擦り寄る姿勢はなんとも理解に苦しみます。
さて、果たして聖書はモルモンが主張するように改竄されているのでしょうか?
答えは「No」です。
皆さんも良くご存知の「死海写本」がこのモルモンの主張を否定しているのです。1947年に発見された死海写本はそれまで最古とされていた9世紀の写本より一気に1000年も古いものでした。それにはエステル記以外のすべてが残されていたのです。そしてその写本はその9世紀のものとほんのわずかしか変わっていなかったのです。つまり、現在わたしたちが手にしている旧約聖書は十二使徒以後の時代はもちろん、イエス・キリストの前の時代、恐らくは旧約聖書が出来た時からずうっと変わっていないのです。(カラー聖書百科事典:いのちのことば社 「聖書の生い立ちと解説」 参照)
むしろ、モルモン書に引用された完全なはずのイザヤ書の方が間違っています。
第2ニーファイ22章2節を取り上げます。表左は、真鍮版の中に収められていたという完全なイザヤ書十二章の引用、右は新共同約聖書の同個所です。

モルモン書

イザヤ書

『見よ、神はわたしの救いである。わたしは信頼して恐れない。主なるエホバはわたしの力であり、わたしの歌である。』・・・

 見よ、わたしを救われる神。
 わたしは信頼して恐れない。
 主こそわたしの力、わたしの歌・・・

問題の個所は「主なるエホバ」という表現です。「エホバとヤハウェの常識」でもとりあげましたが、当時はヤハゥエ(エホバ)の名を「YHWH」と子音のみで示すことによって、読む方にも書く方にもみだりに主の名を口にしないようにしていたのです。そしてその個所はアドナイ(adonay)と読み替えたわけです。これは「主人」を表す名詞なのです。これを英文では「LORD」、邦文では「主」と訳しているのです。
聖書でよくある表現「主なる神」という言い方は「わが神であるヤハゥエ(エホバ)」「神ヤハゥエ」という表現なのです。
つまり、真鍮版の「主なるエホバ」などという表現はヘブライ語では「ヤハゥエ・ヤハゥエ(エホバ・エホバ)」という全くおかしな表現になってしまうのです。
なんともとんまなミスですが、この他にも真鍮版のイザヤ書はその他にもジョセフ・スミスが自分の都合の良いように内容を書き換えているところが多々あります。
聖書を改竄しているのはモルモン教の方なのです。

sexit.gif ページを閉じる