古代には存在しなかった鋼(はがね)がモルモン書に登場する事が、モルモン書がジョセフ・スミスによる創作であることの証明である事は今や常識です。 鋼以上に致命的な問題がモルモン書にはあります。 それは鉄自体を南北のネイティブ・アメリカンはアステカのごく一時期を除いて使用されていなかったことです。鉄の使用が始まったのは、コロンブス以降、植民地時代からなのです。 第2ニーファイ5:15にリーハイの子のニーファイが
「わたしは民に、建物を建てることを教え、また非常に豊富にあっ た木材や鉄や銅、また真鍮や鋼や金や銀や貴重なあらがねなど、 あらゆる材料で物を造り出すことを教えた」
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と述べています。鉄の使用などありえる話ではありません。
アステカ文明での鉄の使用についても、鉄は大変希少なものであり金(きん)よりも高価なもので、日常に使用する事などありえませんでした。 おまけにアステカ文明は紀元後14世紀から16世紀であり、ニーファイの時代(前600年ごろ)から大きくへだたっています。モルモン書の記述に従えばアステカ文明はニーファイ人の滅亡後、レーマン人が作った文明ということになります。 インカにしろアステカにしろ優秀なニーファイ人が滅んだ後、劣等なはずのレーマン人が壮麗な文明を築いているというのもおかしな話です。
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