モルモン書のネタ本 

モルモン書は金版翻訳の翻訳でないことは敢えてここで述べるまでもないことです。ジョセフはモルモン書を創作したわけです。(この創作自体もソロモン・スポルディングのものを借用したとの説がありますが、それは別項で考えます)ネイティブアメリカンがイスラエルの末裔であると言うモルモン書の着想自体も決して斬新なものではありませんでした。当時は結構流行していたようで、多くのネタ本が存在していました。そのネタ本群をタナー夫妻のサイトから紹介して行きましょう。
http://www.utlm.org/onlineresources/bomindianorigins.htm

解説

これらのネタ本は全ては学術的には一顧だにされいないものです。現代的な言い方をすれば「とんでも本」と言えるでしょう。
モルモン書に影響を与えたと思われる箇所を赤字にしてあります。
ネイティブアメリカンは優秀な白い民族を滅ばしたこと、その白い民が失われた本を持っていたこと、バベルの塔の離散時に第一回の米大陸渡来があったこと、後からやってきた民は失われた十支族の子孫だと言うこと、彼らにキリスト教が伝えられていたことなど。
モルモン書のアウトラインが全てここに表れています。
モルモン書の着想が珍しくもないものであるとわかっていただけるでしょう。
また、モルモン書はこの「失われた本」の偽書として書かれた事も分かるのです。

 

著者 

署名

 出版地

 出版年

Adair, James

 The History of the American Indians

 London

 1775

 ネイティブアメリカンとユダヤ人互いの習慣に23の類似性を上げています。ネイティブアメリカンが訛ったヘブライ語を話したとか、安息日、割礼、動物犠牲、と言うようなものです。

 Boudinot, Elias

  A Star in the West; or a Humble Attempt to Discover the Long Lost Ten Tribes of Israe

Trenton  

 1816

 James Adaiの編纂した資料にかなり頼っていります。加えてネイティブアメリカンの神の失われた本に言及しています。

 Burke, Edmund

 An Account of the European Settlements in America, 2 vol. 2nd ed

 London

 1808

 メキシコとペルーの神殿に言及しています。

 Cusick, David

 Sketches of the Ancient History of the Six Nations, Lewistone

 NY

 1827

 ネイティブアメリカンの寓話を紹介しています。その寓話の中には、2人の兄弟の子孫が、一方のグループが絶滅するまで戦い続けたというのがあります。

 Flint, Timothy

 Recollections of the Last Ten Years, Passed in Occasional Residences and Journeyings in the Valley of the Mississippi

Boston

 1826

ネイティブアメリカンがユダヤ人だったと言う考えに言及しますが、自分自身の考えは明確にはしていません。北アメリカの様々な埋葬塚および要塞について記述し、巨大な骨格および石の棺の発見に言及しています。

 Haywood, John

 The Natural and Aboriginal History of Tennessee

 Nashville

 1823

 ヒンズー、エジプトおよびヘブライの遺物とアメリカのそれを比較します。北アメリカの要塞遺跡メキシコの寺院遺跡について、鋼鉄を含む鋼、銅などの金属の使用を述べ、石の箱、車輪、馬の使用可能性を記述しています。マウンドを作った民族がネイティブアメリカンによって滅ぼされた白い民族だったと結論を下しています。

Humboldt, Alexander

  three different books on American Indian; one 4 vol. set was titled Political Essay on the Kingdom of New Spain 

  Baltimore

 1813

 メキシコの要塞と神殿、金属の使用について記述しています。

  Imlay, George

 A Topographical Description of the Western Territory of North America

  London

 1793

 マウンドを作った民族が死者を石の箱の中に埋めることを実行していた事やその他の事を議論しています。

  Israel, Manasseh ben

 The Hope of Israel

 London

 1652 & 1792

 ペルーで発見されたと言うイスラエルの十支族の話を含んでいます。

 Juarros, Domingo

 , A Statistical and Commercial History of the Kingdom of Guatemala

 London

 1823

ネイティブアメリカンは旧世界から来たと主張バベルの塔での民族分散直後に新世界に着いたと主張しています。グアテマラの要塞、建物、寺院、およびパレンケの遺跡を含む宮殿について記述しています。

 Loudon, Archibald

  A Selection of Some of the Most Interesting Narratives of Outrages Committed by the Indians, in Their Wars with the White People, 2 vols.

 Carlisle, PA.

  1811

十支族理論を立証、スペイン人がヘブライ文字で覆われていたネイティブアメリカの墓石を掘り出したと言いました。また、ユダヤ人のシナゴーグとペルーの神殿を比較しています。

 McCulloh, James H.

  Researches on America; Being an Attempt to Settle Some Points Relative to the Aborigines of America &c

  Baltimore

 1817

ネイティブアメリカンの起源、大洋横断の問題についての様々な理論について議論しています。マウンドを作った民族は白人グループでネイティブアメリカンよりもっと進歩したものだったという理論について議論しています。

 Mather, Cotton

 India Christiana. A Discourse, Delivered unto the Commissioners, for the Propagation of the Gospel among the American Indians

 Boston

 1721

 旧世界の人類がアメリカへ航海することができたことを示唆します。

 Mather, Samuel

  An Attempt to Shew, that America Must Be Known to the Ancients

 Boston

 1773

 彼は、2つの主な移住があったこと、ひとつはバベルの塔から、もうひとつはアジアあるいは恐らくフェニキアから数世紀遅れてやって来て居住したと信じています。さらに、キリストの使徒あるいは七十人の数人が古代アメリカを訪れたという理論を述べています。

  Moulton, William

 A Concise Extract, from the Sea Journal of William Moulton

  NY

 1804

 彼は、「大きな宮殿」および「エレガントな建物」を備えたペルーの遺跡都市、1000マイル以上を走るインカのハイウェー訪問記を書いています。

 Niles, John Milton

  A View of South America and Mexico

 NY

 1825

 ペルーの宮殿と神殿について記述します。

 Parrish, Elijah

 A New System of Modern Geography, Newburyport

  MA

 1810

 著者パリッシュがニューイングランドの学校で使用するために書いた地理学書です。北アメリカのマウンドおよびペルーのクスコの神殿について記述します。ネイティブアメリカンとイスラエルの習慣の比較も含む内容です。

Poinsett, Joel Roberts

Notes on Mexico, Made in the Autumn of 1822

 Philadelphia

 1824

 ノア洪水のメキシコの伝説に言及し、メキシコの巨大なピラミッドおよび長い舗道に着目し、それらの象形文字の描かれ方、彼らの天文学と冶金学の知識について言及します。

 Priest, Josiah

 The Wonders of Nature and Providence

 

 1825& 1826

以前に公表された多くの研究を編集、メキシコのフランシスコ・クラビゲロのメキシコの歴史からの抜粋を含んでいます。古代のメキシコにおけるの偶像崇拝および人身御供の伝統の詳述しています。また同書はイーサン・スミスの「ヘブライ人の視界」が詳しく述べる「インディアン、ヘブライ人の起源」の論拠となりました。

 Rio, Antonio del

 Description of the Ruins of an Ancient City, Discovered Near Palenque, in the Kingdom of Guatemala

 London

 1822

パレンケの様々な遺跡について記述しています。それには、幾つか板状の構造であるマヤの写本を含んでいます。また、古代のアメリカ人が海を越えてやって来たことを示唆し、さらに紀元34年の日食の伝説に言及、メキシコの神ケツァルコアトルが古代のアメリカに福音を伝えに来た聖トマスだったと推測しています。

 Sewall, Samuel

 Phaenomena Quaedam Apocalyptica

 Boston

 1697& 1727

 ネイティブアメリカンがイスラエル人であることを示唆しています。アメリカは新しいエルサレムで、ヨハネ10章16節の「他の羊」がネイティブアメリカンであるかもしれないと述べています。

  Smith, Ethan

View of the Hebrews; or the Tribes of Israel in America, Poultney

  VT

 1823& 1825

 この著作はアメリカインディアンおよびマウンドを作った民族の出所との研究では最も重要で最も面白いものです。新世界の最初の開拓者がイスラエルの失われた十支族だったことを示唆します。Humboldtによるのメキシコの遺跡の記述、Atwaterのマウンドについての記述、およびネイティブアメリカンを失われた十支族に結び付けるAdairとBoudinotの論拠の抜粋を含んでいます。さらに、ネイティブアメリカン伝説で、いつか帰って来る神について書かれた本(それは失われています)について言及しています。この本がモルモン書にもっとも大きな影響を与えたと言います。
原文はオンラインで読むことが出来ます。(但し、英語)

 Sullivan, James

 The History of the District of Main

 Boston

 1795

 北アメリカのネイティブアメリカンには建設技術も知識もなかかったため、オハイオ要塞遺跡はメキシコとペルーの民によって造られれたと主張しています。

Thorowgood, Thomas

 Jews in America, or , Probabilities That the Americans are of that Race

 London

1652

福音がアメリカで古代に説教されたと述べます。インディアン(ネイティブアメリカン)・イスラエル同祖論と、ネイティブアメリカンのキリスト教への改宗の転換の重要性を強調しています。

 Walton, William

 Present State of the Spanish Colonies, 2 vols

 London

 1810

天地創造および洪水に対するネイティブアメリカンの信仰に言及し、古代メキシコの建築術、金属細工に関して述べています。

 Williams, Roger

 A Key into the Language of America

 Boston

 1827

ネイティブアメリカンの言語がヘブライ語の形式で、彼らの習慣が、ユダヤ人のものに似ていると信じています。著者は彼はネイティブアメリカンに寛容ですが、彼らの宗教は悪霊によるものだと信じています。

 Williams, Samuel

 The Natural and Civil History of Vermont, Burlington,

 VT

 1809

 ネイティブアメリカンの起源に関する多様な理論について議論しています。北アメリカで発見された巨大な骨格にも言及しています。

 Worsley, Israel

  A View of the American Indians

 London

 1828

イーサン・スミスのヘブライ人の視界にかなりの部分を依存しています。マウンドを作った民族がネイティブアメリカンによって滅ぼされたと主張します。中央アメリカの巨大な石の十字が発見されたことに言及し、神の失われた本があり、それがネイティブアメリカンの伝統を記録すると信じていました。

 Yates, John and Joseph Moulton

History of the State of New York.

 

 1824

 パレンケの近くの古代の都市の遺跡はもちろん著者の州と近隣州のマウンドと要塞について記述します。その説によれば、マウンド群れは、メキシコを通りおよび南米へ入り込む大きな鎖の一であり、ネイティブアメリカンによって滅ぼされた別の肌の白い人種によって作られました。象形文字が書かれた巨大な骨格の発見に言及し、ある地域のネイティブアメリカンがフリーメーソンのサインと象徴およびを所有したと報告しています。

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